No.115 (エジプトとトルコ) :
「エジプトとオスマン帝国それぞれの近代化とはどういうものか?」
エジプトでは総督ムハンマド=アリーが仏の援助の下,マムルークの廃止など
の近代化を行った。オスマン帝国ではアブデュル=メジト1世がタンジマート
(恩恵改革)を始め,宰相ミドハト=パシャによりアジア初の憲法であるミド
ハト憲法が制定された。しかし,どちらも英・仏両国に従属する結果になり,
近代化に基づいた強国化は失敗に終わった。
<評価の観点>
関心・意欲・態度:
日本の明治政府による富国強兵策や議会の設置・憲法の制定を想起しながら,
エジプトとオスマン帝国での近代化への挑戦と挫折について,大きな関心を持
って学習に臨んでいる。
思考・判断:
オスマン帝国の衰退がアラブ人のトルコ人支配からの自立を促す中で,エジプ
トに登場したムハンマド=アリーが,フランスの援助を得ながら近代化を推進
したことについて,的確に判断している。
資料活用の技能・表現:
イギリスのインドルート確保にとって,エジプトや後に建設されるスエズ運河
が極めて重要であることを,地図上で把握している。
知識・理解:
ムハンマド=アリーによるエジプトの近代化と,アブデュル=メジト1世によ
るタンジマート(恩恵改革)で始まり,ミドハト憲法の制定で最高潮となるオ
スマン帝国の近代化の内容と結果について,基本的な知識を身につけている。